初めてナンバーガールを聞いたのは2004年で、もう既に解散した後だった。
ハイスタが好きで軽音部に入ってギター始めて、今思い返すとロクに練習しないダメなやつだった。もっとマジメにギターやってたら、もっと部活楽しめていたと思う。勿体ないことをした。
入部した新入生が初めてやるライブが終わって、2つ上のあまり話したことのない先輩にナンバガのコピーバンドをやるのに女子ギターが欲しいって誘われた。CD-Rに何曲か焼かれたのを渡されて聴いたのが初めてのナンバーガール。それまでハイスタ聴いてた勢にNUM-AMI-DABUTZは難解だった。TATOOありか鉄風はすごくカッコいいと思った記憶がある。
初心者にはひさ子パート無理すぎて、向井パートのコードをなんとか押さえて12月のライブに出た。向ヶ丘遊園のライブハウス。
学生の時の、自分が音楽を好きになるきっかけは恋愛絡みのことが多く、相手の好きなものを理解したくて聴き込んでいくうちに自分も好きになるパターンだった気がする。
ナンバガを好きになるきっかけも、案の定その誘ってきた先輩だった。なんで好きになったのか覚えてないけど、ベースを弾いてるところがめちゃくちゃカッコよかったからだったんじゃないか。ナンバガを聴いて、No use for a nameを聴いた。もらい煙草してもらえるように煙草の銘柄も合わせた。ZAZENの松下敦が入ったタイミングかなんかのときのチケットが取れて誘ったけど、ZAZENは好きじゃないって振られたっけ。部活の合宿がちょうど自分の誕生日で、夜中グダグダ楽器弾きながら過ごしてた時にみんなでハッピバースデー演奏してくれたなー。
諸々あって告白することはなく、恋心は薄れてしまうのだけど、あー好きだったなーという気持ちは取り出せるし、ちょっときゅんとしてしまう。
きっかけはそんなだったけど、ナンバガはちゃんと好きで、ずっと聴いて10年以上が経つ。徹夜明けの朝日にはOMOIDE IN MY HEADを聴いたし、新宿高層ビル群にはSAPPUUKEIを聴いた。夏には透明少女を、秋の夕暮れ時には鉄風を。
解散してしまって新しい音源は出ない。既に持っている音源を、聴きたいシチュエーションで流すものだった。
それが、今日。次に何の曲が聴けるのかわからない、持っているどの音源でもない初めて聴くステージが見れた。生ではなくて配信だったし、欲を言えば生がよかったんだけど、新しい音が出てくるところを見ることができた。再結成なんて願ったことをなかったから。ナンバーガールを聴くことができるなんて思ったことがなかったから。
音源で聴いていた若さとか勢いはなかったけれど、アヒトのメロディのようなドラム、向井の突き刺さるテレキャス、ひさ子のどこかに連れていかれそうになるソロ、ナカケンの芯に刺さってくる音、個々がもう最高で、今のナンバガがあった。
生きてればいいことあるな。ここまで生き延びてきてよかった。よく頑張ったね自分という謎の気持ちに包まれている。
復活しているうちに生音を絶対に聞きたい。